函館芝1200m分析

函館芝1200mの特徴とは

画像引用元:JRAHP http://www.jra.go.jp/facilities/race/hakodate/course/

まずこのコースの特徴をかいつまんで抑えておこう。

①洋芝=欧州型のパワーが要求される

②3コーナーまで緩やかな登り坂=テンがガツンと早くはならない

③コーナーが急=コーナーリングの稚拙、ジョッキーの位置どりが大きく影響する

④ラスト400mはほぼ平坦な下り坂が続き、直線は260m(JRAの競馬場で最短)

特徴を踏まえての評価ポイント

①洋芝適性は味付け程度→道悪適性も加味する

洋芝への適性は結果に直結するファクターだが、函館や札幌(同様に洋芝のコース)で実績でもない限り血統的な背景から類推するしかない。その限りにおいてはどこまでいっても憶測の域を出ない。よって、「洋芝適性がない(なさそう)だからこの馬は切り」とはせずに、「洋芝でも走れそうだからプラス評価」と加算要素として扱うのが良いだろう。

また、洋芝は野芝に比べて地面が柔らかいことから、適性を類推する時に「芝での道悪実績」がかなり関連性の高いものとなることも覚えておいて損はない。

②スピードの持続力=スタミナが必要

スタートから緩やかに上り坂が続くので、その間断続的にスタミナを奪われていくコースである。そのため、京都芝1200mや小倉芝1200mのようにテンのスピードをいかしてそのまま押し切る、という展開はあまり望めない。しいて親和性を挙げると「中山芝1200m」に近い適性を求めれるコースだ。もちろんスプリント戦なのでスピードは必要だが、加えてそれを持続させるスタミナも求められる

③・④コーナーワークの巧さが求めれる=馬もジョッキーも巧者を狙う

コーナーの径が急なので小回り巧者(コーナーを上手に回れる馬)が台頭する。

※ここが同じ洋芝の札幌との1番の違い。函館の実績が必ずしも札幌とリンクしないのはコーナーワークの稚拙が絡むことが多い。札幌はコーナーがゆるいのでむしろ大箱の競馬場を得意とする馬が好走しやすい。

また、最後の直線は平坦ながら260mしかないため、先行馬が有利になりやすい。差し追い込み馬にはコーナーから徐々に加速できる器用さも求めれる。その観点ではうまくさばける鞍上のエスコートも必要であるため、このコースを得意とするジョッキーの手腕も大いに関わってくるだろう。

※函館競馬場を得意とするジョッキー:岩田J、ルメールJ、藤岡佑介J、池添J、横山武史Jあたりが近年リーディング争いをしているように得意と言えそう。また、リーディング争いとまではならないが、丹内Jは地元ということもあって他場で騎乗する時より明らかに成績が向上する。要注目。

過去の結果から枠順の評価

内外、有利不利なしだが、内枠は逃げ先行のみ

OP以上のレースに絞って過去結果をみると、内枠も外枠も特段の有利不利は感じない

過去5年 函館芝1200m OP以上レース枠順別結果

ただ内枠、特に1枠に関しては「逃げないしは2番手」につけられることが条件になるだろう。(2013年函館スプリントステークスでのロードカナロアの激詰まりが強烈な印象を残しているレースでもある笑)

条件戦まで広げて傾向を見てみると、明らかな外枠不利傾向が見えてくる。

過去5年 函館1200m 3勝クラス以下枠順別結果

これらを踏まえると、条件戦なら内〜中枠から入るのが得策だろう。

OP以上ならどの枠順でも良いが内枠の馬から買うなら確実に先行できるかどうか(テン1ハロンの速さの絶対値と相対順位が一番参考になる)はよく検討をした方がよい。

まとめ:長く脚を使える馬を狙う

スタミナ、というのもなかなかやっかいなものだが、じゃあ少し長めの距離に実績なり適性なりがあった方がいいのかというとそうではない。あくまでスプリント戦なので大前提はそこで通用するだけのスピードがなければならないからだ。

脚質は狭いコースであることから詰まるリスク、馬群を捌けないリスクを加味すると先行であることに越したことはない。ただ、上位クラスのレースになればなるほど後方から長く脚を使えるタイプも台頭してくるので、一概に先行だけを狙っていれば良いということではない。ただし、内枠に入った差し・追い込み馬は割り引いて良いと考える。

枠順でいうと、条件戦までは内〜中を中心にするのが吉。OP以上では内外はフラットなので脚質やジョッキーも加味して取捨選択していきたい。