東京ダート1400m分析

2020年4月25日

モズアスコットの衝撃的な走りに度肝を抜かれた2020年の根岸ステークス。コパノキッキングを豪快に差し切った末脚は強烈そのもの。3着には4コーナーで最後方5頭目にいたスマートアヴァロンが末脚を伸ばして追い込んできました。

さて、根岸ステークスは、2020年もそうでしたが過去にもカフジテイクやシルクフォーチュンなど、「とにかく差し追い込みがズバズバ決まる」印象があります。

しかし、そんな根岸ステークスの印象に引きずられると東京ダート1400mは攻略できません。条件戦を含めた全体傾向からすると根岸ステークスはかなり特殊です

東京ダート1400mの傾向

直近5年間のデータを元に東京ダート1400mの傾向をまとめました。脚質、前走条件、クラス別傾向で分析してみた結果をざっくりとまとめると以下の通りになります。

  • 脚質:圧倒的に逃げ・先行有利
  • クラス別脚質傾向:条件戦とOP以上で歴然とした差がある
  • 前走条件:距離短縮も延長も大差なし。最も良い条件は「前走左回り」

「逃げ・先行」が有利なんです。根岸ステークスの印象に惑わされちゃいけませんね。

根岸ステークスだけ特殊なのか、それともクラス別で差があるのかが気になりましたので未勝利〜重賞まで全クラスにおいて有利な脚質を調べてみました。

まずは脚質のデータから。

脚質:全体で見ると圧倒的に先行有利

これは4コーナーでの位置取りのデータです。直線が500mあることを考えると、ほぼ道中もこの位置取りと言っていでしょう。

ご覧の通り、勝率・連対率・複勝率ともに前に付けていればいるほど上がります。回収値もきれいに前から順に高く並んでいます。

しかしながら先にも触れた通り、根岸ステークスの傾向とは大きく異なるように感じます。そこで、クラス別に脚質の有利不利をまとめたのが次のデータです。少し長いので結論だけ先に書きます。

条件戦では4コーナーで1番手と2番手の馬の成績が良く、OP以上になると5番手以下馬の成績が良くなります。

クラス別脚質:条件戦=逃げ・2番手の馬が強い

以下の通り、3勝クラスの条件戦までは1番手ないしは2番手にいる馬の勝率が最も高く、回収値も最も高いことがわかりました。

クラス別脚質:OP以上=5番手以下の馬が強い

この傾向が明確に変わるのがOP競争からになります。OP競争になると逆に逃げ馬は一頭も勝っていません。4コーナーの位置では6〜7番手あたりにいる馬が最も勝率が良いですね。

G3根岸ステークスではよりその傾向が顕著です。

逃げ馬どころか4コーナーで4番手以内にいた馬は過去5年で一頭も勝っていません。勝馬は5番手以下、どころか10番手以下からも飛び出てきています。(さすがにしんがり16番手からは勝馬はいませんが3着馬がいるというのはすごいですね)

もしこのことを知っていて、今回前につけることがわかっていたらコパノキッキングの単勝や頭固定の単系馬券では絶対に勝負しなかったですよね。それだけに単勝1倍代は逆に美味しい状況でした。

有利な脚質についてだいぶ理解が進みましたので最後に前走条件、特に場所と距離についてまとめて終わりにします。

前走条件①:左回りが右回りの2倍良い結果

まずは、データから。

このように前走の右回り左回りをみてみると左回りの勝率が2倍近くあります。中でも良いのは前走が東京と中京でした。

さらに次のデータは前走の距離に関するものです。

前走条件②:距離短縮も距離延長も良いが「東京」が条件

前走条件③:距離延長は最も成績が悪い

前走の距離でいうと1300mが最も良い結果を残しています。次いで良い結果を残しているのは1600mです。

「なーんだ、距離短縮も延長もあまり傾向がないじゃないか」

と思いがちですが前走1300mと1600mに共通するのはどちらも「東京コース」ですよね。また、前走1200mが最も成績が悪いことも踏まえると、最低限「前走東京を走っていた馬の成績が良い」とだけでも覚えておけば良さそうです

また合わせて1200mからの参戦よりは同距離1400mからの方が良い結果になっていることも覚えておきたいところです。

◎まとめ:逃げ先行馬で勝負!

東京ダート1400mで施行されるレースの9割は条件戦です。しっかりと逃げ先行馬を狙っていきたいですね。