東京ダート1600m分析

2020年4月25日

馬番・脚質・前走距離からみる東京ダート1600m

新年最初の中央G1としてすっかり定着したフェブラリーステークス。1997年からG1に昇格して今年で24回目を数えます。

大好きだったアグネスデジタルが勝利した2002年のレースが思い出深いです。G1に昇格して以来、前走芝のレースで勝利したのはアグネスデジタルのみです(しかもデジタルは香港カップを勝利してからの参戦ですからね)。同じく前走芝2000mG1から参戦してすごいことになってしまったカレンブラックヒルを引き合いに出すまでもなく極めて変態的な馬だったなぁと思います。

さて、そんなフェブラリーステークスが開催される条件である東京ダート1600m。ざっとコースの特徴を挙げるとこんな感じになっています。

  • スタートから150m以上芝を走る
  • コーナー2つのワンターン
  • 他場では施行条件がない1600mという設定
  • 直線は全場最長の501.6m

ということで唯一無二のコースとなっています。

この設定だけ見ると、直感的に芝を長く走れるから外枠が有利っぽくて、ワンターンでスピードが出過ぎる&直線が長いので差しがバンバン決まりそうな印象を受けますし、一般的にもそう言われているような気がします。

そんな直感が正しいのかどうか、過去5年間のデータを元に検証してみました。

枠順・馬番傾向:1〜5番の成績が悪い

まずは外枠有利の検証から。

結論からいうと、確かに1〜5番までに入った馬の成績は他の枠番と比べて有意に成績が劣っていました

東京ダート1600m馬番別成績<全体>

過去5年間のデータを見ると、1−5番が悪いのに加えて6番と16番の成績が良いことにも目が行きます。特に6番は勝率から回収値から明らかに良いです。16番に関しては外枠有利の情報が出回っているからか、馬券内率は良いのですが回収値が出切れていません(=人気もしている)。

さらにここから「馬場状態別」でみてみるとさらに傾向が浮き彫りになってきます。

良馬場→極端な外枠が良い。特に14番と16番が優秀

東京ダート1600m馬番別成績<良馬場>

外枠有利な傾向は良馬場で顕著なようです。全体の傾向のとおり1−5番の成績はやはり奮いません。

やや重以上→内よりの真ん中が良い。特に6・7・15番が優秀

東京ダート1600m馬番別成績<やや重〜不良馬場>

相変わらず1〜5番の成績が奮わないのは変わりません。ただ6番、次いで7番が好走しており、道悪になると内よりの真ん中枠が良くなるようです。また、外枠も良馬場と比して極端に成績が落ちることはなく、なぜか15番の成績が良く出ています。

確かに外枠、しかもおそらくピンク帽の馬番は馬場問わずに好走していましたので有利と言えそうです。道悪の6番、7番が好走しているのは新たな発見でした。

次は脚質について。

脚質傾向:どんな脚質にも平等

4コーナーの位置どりでの勝率などを脚質別に、そしてクラス別にみてみましたが、逃げ〜追い込みまではほとんど有利不利がない結果でした。極端な後方待機は馬券内率が下がる…というのは当たり前です(特に条件戦ではついていけず4コーナーで脱落するような馬は後方待機になる)のでそういう意味でも本当にフラットだと言えそうです。

強いていうと、逃げ馬の勝率は条件戦までは14.9%ですがOP以上のレースでは8.6%まで落ちます。なお、OP以上のレースで最も馬券内率が高いのは2−5番手にいた馬でした。レースの格が上がるにつれ逃げ馬がしんどくなる、というよりは条件戦までは逃げ馬が比較的残りやすいと言えるのではないでしょうか。

レースCPI、展開を踏まえてどんな脚質に重きを置くかをレースごとに考える必要がありそうです。

次に調べたのは唯一の1600mという施行条件から距離延長か短縮どちらが良いか、という点です。

前走距離:同距離or距離短縮が圧倒的に良い

東京ダート1600m前走距離別

最も良いのは前走同距離、つまり東京ダート1600mを連戦している馬でした。次いで良いのは1800m、その次は1700mと2000mが同じくらい。延長か短縮かでいうと、1400m以下からの参戦と比べてみると一目瞭然で距離短縮の方が良いです。これはクラス別で見ても同傾向でしたので無条件で覚えておくべきですね。

最後におまけ的として馬体重別の成績の調査結果をお伝えします。

好走馬体重:500kg以上が圧倒的だが…

東京ダート1600m馬体重別

見ての通り、ほぼ重ければ重いほど成績が良いです。ただこれは、全競馬場のダート1400-1800mの傾向ともほぼ一致していますので東京1600mに限った特徴とは言えません。

全競馬場ダート1400-1800m馬体重別

ダートのマイル前後は500kgを超える大型馬が強い、と覚えておくことにします。

結論:極めて外枠の前走同距離or距離短縮組から狙う

外枠はちゃんと有利でしたが、その中でもさらに外の外14〜16番の馬をしっかりと狙いにいくと良さそうです。また、雨が降った場合の真ん中内め、6と7番もしっかりと抑えておきたいですね。間違っても1〜5番の馬は軸にしてはいけません。

そしてもう一つのファクター、同距離or距離短縮を積極に狙うこと。最後に脚質はほぼフラットなのでそのレースの展開を予想して狙いを絞り込むこと、このあたりが東京ダート1600m攻略の鍵になりそうです。